COLUMN — REPUTATIONネットで誹謗中傷を受けたとき、弁護士と対策業者のどちらに相談すべきか迷う方は少なくありません。投稿者の特定や損害賠償請求といった法的手続きは弁護士、検索結果やサジェスト・口コミの継続的な改善や監視は対策業者、というようにそれぞれ役割が分かれています。両者は競合する関係ではなく、目的に応じて使い分ける、あるいは状況に応じて併用するのが基本です。
この記事では、弁護士と対策業者それぞれができること・できないことや費用の考え方、目的ごとの使い分けについて、風評被害対策の専門会社の視点で解説します。
弁護士と対策業者の違いとは(役割の全体像)
弁護士と対策業者の違いとは、対応できる業務範囲の違いのことです。弁護士は法律に基づく手続き(削除請求・発信者情報開示請求・損害賠償請求など)を代理でき、対策業者は検索結果・サジェスト・口コミの監視や改善支援、発信による対策を担います。
この線引きの根拠になるのが弁護士法72条です。(出典:e-Gov法令検索「弁護士法」第72条〔確認日 2026.11.01〕)投稿者の特定や損害賠償請求などの法的手続きは原則として弁護士のみが代理できる業務であり、対策業者がこれを代行すると非弁行為となります。SORIXを含む健全な対策業者は、こうした法的手続きについては提携弁護士の紹介までを担い、自ら代行はしません。
つまり、「加害者を法的に追及したい」のか「検索や口コミの状態を改善したい」のかで、まず相談先の入り口が変わります。両者は目的が異なるため、どちらが優れているという話ではありません。
弁護士に依頼できること・向いているケース
弁護士に依頼できるのは、主に法的手続きを伴う対応です。
- 削除請求(法的手続き):裁判所を通じた仮処分などによる削除
- 発信者情報開示請求:匿名の投稿者を特定する手続き(非訟手続。2022年10月施行の改正で開示命令が創設)(出典:総務省「プロバイダ責任制限法 逐条解説」(2023年3月)〔確認日 2026.11.01〕)
- 損害賠償請求:特定した投稿者に対する慰謝料などの請求
- 刑事告訴の相談:名誉毀損罪(刑法230条)や侮辱罪、信用毀損・業務妨害(刑法233条)などの該当性の検討(出典:e-Gov法令検索「刑法」第230条・第231条・第233条〔確認日 2026.11.01〕)
弁護士への相談が向いているのは、「誰が書いたのかを特定して責任を追及したい」「悪質で被害が深刻なため法的措置を取りたい」というケースです。とくに投稿者の特定は、通常は裁判所での手続きが必要になり、代理を頼めるのは原則として弁護士だけです。
一方で、法的手続きを進めるには相応の時間や費用がかかり、対象も「特定の違法な投稿」に限定されます。サジェスト全体の表示傾向や、複数のサイトに散らばっている悪評を継続的に改善していくといった作業は、弁護士の業務範囲とは異なります。なお、量刑や成立要件の詳細な判断は個別の事案によって異なるため、必ず弁護士に相談してください。
対策業者に依頼できること・向いているケース
対策業者(風評被害対策会社)が担うのは、検索環境や評判の継続的な改善です。
- サジェスト・関連キーワード対策:ネガティブ候補の状況確認と削除申請・改善支援
- 逆SEO(押し下げ):ネガティブ記事よりも公式情報や有益な情報を上位に表示させて目立ちにくくする
- 口コミ・掲示板の監視:平時からの監視を通じて早期発見・早期対応につなげる
- 違反投稿の通報:依頼者が規約違反にあたると判断した投稿を、第三者からの報告を受け付ける窓口に通報する(SORIXのご契約中のお客様は、通報に追加の費用はかかりません)
- 発信支援:公式情報を充実させ、正しい情報を資産として蓄積する
対策業者が向いているのは、「加害者の特定までは求めないものの、検索結果や口コミの状態を改善したい」「今後の再発を防ぐために監視を続けたい」というケースです。風評対策は「削除・非表示」「押し下げ・希釈」「監視」「発信」の4類型で整理でき、対策業者はこれらを状況に応じて継続的に組み合わせます。
ただし、前述のとおり投稿者の特定や損害賠償請求は代行できません。削除申請・削除請求をお客様に代わって行うことも同様です。この点をあいまいにして「特定もできる」「削除申請も代行する」とうたう業者には注意が必要です。SORIXの風評被害対策サービスでは、法的手続きが必要な場合は提携弁護士を紹介するスタンスを取っています。そのうえで、媒体によっては第三者からの規約違反の報告(通報)を受け付ける窓口があるため、お客様が規約違反にあたるとご判断された投稿は、こうした窓口に限り、SORIXが自社の名義で第三者として通報することもあります(ご契約中のお客様は、通報に追加の費用はかかりません。削除するかどうかは媒体が判断します)。通報と並行して、逆SEOや監視、炎上時の初動支援まで一つの窓口で進められるのがSORIXの特長です。
弁護士と対策業者を比較すると
両者の違いを整理すると、以下のようになります。
| 項目 | 弁護士 | 対策業者 |
|---|---|---|
| 投稿者の特定 | できる | できない(非弁行為) |
| 損害賠償請求 | できる | できない(非弁行為) |
| 法的な削除請求 | できる | できない |
| 規約違反の投稿の通報 | できる | 第三者として行える場合がある(SORIXはご契約中のお客様なら追加費用なし) |
| サジェスト・検索結果の改善 | 業務範囲外のことが多い | 得意領域 |
| 口コミの監視・予防 | 業務範囲外 | 得意領域 |
| 費用のかかり方 | 手続き単位+成功報酬 | 月額など継続型が中心 |
このように、両者がカバーする領域はほとんど重なりません。だからこそ「どちらか一方」と決めつけるのではなく、被害の性質や目的に応じて選ぶ、あるいは併用して対応するのが現実的です。
費用相場(依頼先別の目安)
依頼先別の一般的な費用の目安は次のとおりです(いずれも2026年時点の一般的な目安)。
| 依頼先・施策 | 費用の目安 |
|---|---|
| 弁護士による削除請求(法的手続き) | 1件あたり数万〜数十万円程度+成功報酬 |
| サジェスト対策(業者) | 月額3万〜10万円程度 |
| 逆SEO(業者) | 月額10万〜50万円程度 |
| 口コミ・掲示板の監視(業者) | 月額3万〜10万円程度 |
弁護士費用は手続きごとにかかり、発信者情報開示から損害賠償まで進める場合は複数の段階で費用が発生します。対策業者は月額制の継続型が中心です。実際の金額は対応の難易度や対策範囲によって変動するため、SORIXの料金については料金ページでご確認ください。
弁護士と対策業者は併用すべきか
被害が深刻なケースでは、両者の併用が効果的です。たとえば、悪質な投稿については弁護士が特定や損害賠償の手続きを進めつつ、検索結果全体の印象改善や再発の監視は対策業者が担う、といった役割分担です。
進め方の一例は次のとおりです。
- まず証拠(投稿内容・URL・日時のスクリーンショット)を保全する
- 検索や口コミの全体状況を対策業者に確認してもらう
- 特定・賠償が必要な悪質投稿について弁護士へ相談する
- 並行して、規約違反の投稿の通報や、監視・発信による再発予防を進める
どちらから相談すべきか迷われる場合は、まず「加害者を追及したいのか、現状の表示状態を改善したいのか」を整理してみると、最初の入り口が見えやすくなります。
相談前に準備しておくとよいこと
弁護士・対策業者のどちらに相談する場合でも、事前に情報を整理しておくと話が早く進み、無駄な費用の発生も抑えやすくなります。特に重要なのが証拠の保全です。ネット上の投稿は後から削除されたり編集されたりする可能性があるため、気づいた時点で記録を残しておくことが欠かせません。
- 投稿のURL:該当ページや投稿の正確なアドレス
- 投稿内容のスクリーンショット:本文だけでなく、投稿日時やアカウント名が写る形で保存する
- 発見した日時:いつ気づいたか、いつ撮影したかを記録しておく
- 被害の状況:取引の失注や採用への影響など、具体的に生じている影響をメモしておく
- 対応の希望:削除したいのか、特定・賠償まで求めるのか、方針や希望を整理しておく
これらがそろっていると、弁護士は法的手続きの見通しを立てやすくなり、対策業者も改善の優先順位を判断しやすくなります。反対に、証拠が消えてしまうと、投稿者の特定や削除請求が難しくなることもあります。デジタルタトゥーという言葉があるように、一度拡散してしまった情報は完全な削除が難しいため、早い段階での記録とご相談が大切です。
依頼先を選ぶときの注意点
いざ依頼先を探す際には、次の点にご注意ください。特に対策業者選びにおいては、法律の線引きをきちんと守っているかが重要な判断軸になります。
- 「特定もできる」とうたう対策業者に注意:投稿者の特定や損害賠償請求は原則として弁護士のみが代理できる業務です。これを業者が代行すると非弁行為にあたります
- 成果の定義を確認する:「絶対に消す」といった断定的な表現ではなく、何をもって成果とするのかを書面で示してくれるかを確認します
- 料金の内訳が明確か:何にいくらかかるのか、追加費用の有無が説明されるかを確認します
- 弁護士との連携体制があるか:法的手続きが必要になったときに提携弁護士を紹介できるか
費用の安さだけで判断せず、自社の目的や必要な対策に合った依頼先を選ぶことが大切です。
よくある質問
費用を抑えるならどちらに依頼すべきですか?
目的によって異なります。加害者の特定や損害賠償請求が目的なら、弁護士以外に選択肢はありません。検索結果や口コミの改善が目的なら、対策業者のほうが継続的な費用で対応できます。目的が定まらないうちに高額な契約を結ばないことが、結果的に費用を抑えるコツです。
対策業者が「投稿者を特定できる」と言ってきたら?
注意が必要です。投稿者の特定や損害賠償請求は原則として弁護士のみが代理できる業務(弁護士法72条)であり、業者が代行すると非弁行為にあたります。特定をうたう業者ではなく、弁護士を紹介できる体制の業者を選びましょう。
結果を確約してくれる業者は信頼できますか?
「絶対に消す」「消去を保証する」といった断定的な表現にはご注意ください。削除されるかどうかはプラットフォームや裁判所の判断によるため、結果を確約できるものではありません。成果の定義や条件について、事前に書面で確認できるかどうかを基準に判断することをおすすめします。
まず無料で相談できる窓口はありますか?
対策業者の多くは初回相談を受け付けており、弁護士にも法律相談の窓口があります。どちらに相談すべきか判断がつかない段階では、証拠を整理したうえで、まず現状の確認だけでも相談してみると、必要な対応の方向性が見えてきます。ご相談の前に投稿のURLやスクリーンショットを準備しておくと、話が早く進みます。
まとめ:目的で使い分け、深刻なら併用する
ネットの誹謗中傷への対応は、投稿者の特定や損害賠償請求なら弁護士、検索結果や口コミの継続的な改善なら対策業者、というように役割が分かれます。両者はカバーする領域が異なるため、被害の性質に応じて使い分け、深刻なケースでは併用するのが現実的です。
「自社のケースはどちらに相談すべきか」を切り分けたい方は、まず現状の整理から始めてみてください。SORIXでは検索・口コミの状況確認から改善支援まで行い、法的手続きが必要な場合は提携弁護士を紹介します。詳しくは風評被害対策のサービスページと料金ページをご覧ください。
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